1964年に開設した「横浜市民ギャラリー」は、地元の美術愛好家が美術文化の普及を目的として作られた文化施設です。年間180を超える展覧会を開催し、横浜市民を中心に幅広い美術の紹介を行ってきました。3度目のオープンとなる、現在の横浜市西区宮崎町の地には、50年目の節目である2014年に開館。現代作家を取り上げる「ニューアート展NEXT」や貴重な所蔵作品をご紹介する「コレクション展」などを中心に、アートと文化の発展に担う運営を行っています。

開催中の展覧会スケジュールはホームページから確認することができます。展示室は、地下1階から3階までにそれぞれ1室ずつあり、分割して利用することも可能です。多彩な美術作品の展覧会や書道展が開催されています。ほとんどが入場無料で鑑賞することができるので、気軽に訪れることができるでしょう。過去には、リアリズム絵画や油彩、水彩等の美術作品を展示した「現代ルネッサンス美術展」や創立65周年を迎えた横浜カメラクラブの写真展などが開催されています。

施設内の4階にはアトリエがあります。ここでは、実際に美術の創作教室や講座が開かれており、希望者が参加して体験が可能です。横浜美術大学が主催をした公開講座「仏像の名品を辿る」や横浜美術協会が主催し日本画画材の扱い方が体験できる「日本画部技術研修会」など、興味深い内容でアトリエが開催されています。また、「大人のためのアトリエ講座」と題したワークショップや創作活動も開催中。参加費や事前申込が必要なので、ホームページで詳細の確認が必要です。

横浜市民ギャラリーでは、開館以来、神奈川県や地元横浜と繋がりが深いアーティストを中心に油彩画・日本画・版画・写真等、約1300点の作品を収蔵しています。それらは、テーマを決めて開催される「コレクション展」で鑑賞することが可能です。また、収蔵作品の中から1点を選出し、毎月発行の情報誌である「横浜画廊散歩」の表紙でご紹介もしています。コレクション展2018では、1950年代〜1980年代制作の写真や素描で、横浜の風景の移り変わりをたどりました。

「ハマキッズ・アートクラブ」は、幼児・児童を対象にしたアトリエ講座です。アートの技術やスキルよりも子どもたちの自由な発想や創造を尊重し、成長に必要な自立心を養うことを目的としています。事前応募による抽選が多く、参加費用が必要な場合があるので、ホームページで詳細をご覧ください。過去には、段ボールを使って空想の動物を作るアトリエや羊毛フェルトの講座が開かれました。親子で参加できるものもあり、ふれあいやコミュニケーションの場として利用することもできるでしょう。

「横浜市民ギャラリー」は、JR桜木町駅から徒歩10分の所にあります。徒歩圏内の周辺には、散策途中に立ち寄りたいスポットがいっぱい！「横浜市立野毛山動物園」は、家族でお出かけの際のお散歩に最適です。丘の地形を活かした園内には約100種類の動物達がおり、小動物とのふれあいコーナーも人気。また、関東のお伊勢さまとして親しまれる「伊勢山皇大神宮」も近くにあります。駅周辺には、飲食店やカフェなども多いので、一日かけて充実した時間を過ごすことができるでしょう。

長年、横浜の地で地元の方を中心に愛されてきた「横浜市民ギャラリー」。現代作家を紹介する「ニューアート展NEXT」や毎夏に開催される「横浜市こどもの美術展」など注目の取り組みが目白押しです。ぜひ、次のお休みの際は、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか？