京都の昭和遺産
京阪三条駅の上、三条通にある食堂です。隣は、寺院のようです。 京都市内に世界遺産は点在していますが、ここは京都の昭和遺産です。世界遺産よりもずっと貴重な存在です! まず、店頭の提灯とメニューに心が震えます。 ラーメンというカタカナ語はありません。「中華そば」です。 さらに謎のメニュー…皿盛り そして、ここが京都のど真ん中三条であることを忘れさせる価格帯。 店内に入るときに必ず戸の前で立ち止まります。いまどき、こんな戸があるのか?どうやって開けるのだ? 自動ドアなんてものに毒された平成の輩は、ここで帰っても不思議ではありません。 ようやく、戸を開けて、中に入ると…床を見て仰天します。タイル張りです。昔の便○もこうだったことを思い出します。 そして、テーブルと椅子が配置されていますが、その小ささに目をむきます。 重厚というか、圧倒される店内の雰囲気に浸っていると、意外なほどに愛想のよい昔のお姉さんがお茶を持ってきてくれて、注文を聞いてくれます。 ちょっと悩みましたが、麺を欲していたので、中華そばをお願いします。 お茶は熱いほうじ茶です。それをガラスのコップに入れてくれます。だいたい、茶碗なんてものは客人に出すものなのです(?客じゃないのか?) 中華そばは、450円です。いまどき、ワンコインでお釣りのくる中華そばなんて、チェーン店ならまだしも、都会のど真ん中でありえないに近いです。 その中華そばですが、最初から胡椒がかかっています。さらに驚くべきことに、チャーシューが5切れのっています。450円で5切れもですよ! 世の中のすべてのラーメン店主に食べていただきたいです。 味は、昭和のしょうゆ味です。昭和の時代にこれを食べたら、中華そばにはまります。三条に出たら、篠田屋で食事をするのが、楽しみになるはずです。 次回は、皿盛で昭和に乾杯したいです。