古都ルクソール西岸「貴族の墓」死者の町に残る美しい壁画は必見!

貴族の墓(Tombs of the Nobles)はエジプトの観光都市ルクソール市の「ネクロポリス(死者の町)」に位置します。ナイル川の西岸「死者の町(ネクロポリス)」は全てを鑑賞するには1年以上かかるといわれるほど広大なエリアで、近くにはエジプト史上初の女性ファラオ・ハトシェプスト女王の葬祭殿やラムセス2世の葬祭殿もあります。貴族の墓は未だ分かっているだけでも800基、未確認のものは数千にも及ぶとされ、現在は常時10基程度が公開されています。ファラオの墓に比べ小規模ながら美しい壁画が見どころの貴族の墓をご紹介します。

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このまとめ記事の目次

貴族の墓とは?

「貴族の墓(Tombs of the Nobles)」とは、古代エジプト軍の宰相や書記官など当時の高官の墓所が点在するエリアで、ルクソール西岸の王家の谷の入り口付近に位置します。周辺にはルクソール西岸の代表的な観光スポット「ラムセウム(ラムセス2世の葬祭殿)」「デル・エル・バハリ(ハトシェプスト女王葬祭殿)」などがあります。
ルクソール西岸は日が沈む方角であることから、古来より「ネクロポリス(死者の町)」と呼ばれる地です。貴族の墓は、政府高官といえどもファラオの墓とは比較にならないほど小さなものですが、内部には鮮やかな彩色が施された写実的な壁画に囲まれており、その多くは芸術的な価値が高いだけでなく当時の生活をリアルに記録する貴重な遺構です。

新王国時代に始まった岩窟墓

わたしたち現代人が“エジプトの墓”と聞くと、まず思い浮かべるのがファラオの墓である巨大ピラミッドではないでしょうか。ピラミッドの建設は紀元前2668年に在位した古王国時代・第3王朝2代目のジェセル王から始まったもので、80基以上造営されましたが全て副葬品目当ての盗掘被害に遭っています。
貴族の墓がある“王家の谷”は、それから1000年後の紀元前1570年、第18王朝“エジプト新王国時代”と称される頃のものです。盗掘を避けようと、トトメス1世がピラミッドのようにとがった山頂をもつ標高450mのエル・クルーン山の麓を墓所と定め、紀元前1098年第20王朝最後のファラオ・ラムセス11世の時代まで約500年にわたって建設が続きました。

墓泥棒の村「旧クルナ村」

貴族の墓は、ハトシェプスト女王葬祭殿とラムセス2世の葬祭殿のちょうど中間あたりに位置します。常時10基を超える墓所が公開されていますが、エリア全体で見ると確認されているだけでも約800基の墓があるといわれ、未確認のものまで含めれば実に5,000基を超す墓があるものと予想されています。
貴族の墓が点在する地域には、かつて旧クルナ村(シェイク・アブドゥ・エル・クルナ)がありました。かつて王家の谷を目当てに集まった盗掘者たちが貴族の墓の上に家を建てて7つの集落を形成し、お金に困ると墓を自宅金庫のように使っていたのだそうです。遺跡保護と観光開発の名目で2006年政府による立ち退き命令が出され、現在は公園化しています。

見どころ①ナクト墳墓

貴族の墓の魅力はその美しい壁画にあります。ファラオの墓のように華々しい神々は描かれていませんが、当時の生活様式を垣間見ることのできる壁画が数多く残っています。代表的なものに第18王朝8代トトメス4世と第9代アモンホテプ3世の時代にアメン神の書記として仕えたナクト墳墓(Tomb of Nakht)の壁画「宴会の図」「3人の女楽師」があります。
ブドウ園の果実を踏んで壺に入れ、ワインを作る過程や、水辺で鳥を捕獲して羽をむしり取り、加工する様子などが細かく描かれています。3人の女性はそれぞれ竪琴、リュート、フルートを演奏しています。単純な線で描かれてはいますが、じっくり観察してみると妙に親近感が湧いてくる壁画です。
出典:www.youtube.com

La tumba de Najt o Nakht

La tumba del funcionario Najt, que sirvió a Tutmosis IV (1400-1390 a. C) como sacerdote astrónomo en el templo de Karnak. Descubierta en 1889, conserva en ...

見どころ②ラモーゼ墳墓とメンナ墳墓

ラモーゼの葬儀図

ラモーゼ墳墓(Tomb of Ramose)は第18王朝アクエンアテン(アメンホテプ4世)の宰相だった人物のための墓地で、「ラモーゼ夫妻と供え物」の壁画が有名です。アメンホテプ4世は宗教改革のため都を捨ててアマルナに遷都したファラオで、ラモーゼも共に転居したため墓は未完のまま放置されました。髪の毛の一本一本や涙などが緻密に描き込まれています。

土地検査官メンナの墓

トトメス4世の時代の土地監査官・メンナの墳墓(Tomb of Menna)に描かれた壁画は、「収穫や徴税の様子」と称されます。水辺の景色や、おとりを使って水鳥を狩る狩猟法などが描かれています。同じ貴族の墓にあるものでは他に働く職人が描かれたレクミラの墳墓や、ブドウの天井画が美しいセンネフェルの墳墓なども人気があります。

見たい壁画に狙いを定めて

ラモーゼ・ウセルハト・カーエムハトの墳墓は30E£、ナクト・メンナの墳墓は25E£など、それぞれのスポットはいくつかがセットになっており、遺跡の共通チケット売り場で購入します。あらかじめ見たいスポットを決めて、無理のないスケジュールを立てたいですね。

基本情報

所在地:West Bank near Ramesseum | Gurna, Luxor, Egypt
営業時間:6:00~17:00(冬季7:00~)
料金:25E£~
アクセス:ルクソール国際空港より車で50分

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