美の浄土を願う、渡辺俊明のアトリエ福島「蓮笑庵」の見どころ

福島県田村市芦沢の小さな村の山の麓に「蓮笑庵(れんしょうあん)」があります。ここは、民画家であり、詩人の渡辺俊明(わたなべ しゅんめい)氏のアトリエ兼ギャラリーです。美の浄土を願い、自ら設計され庭も造られました。現在は、妻の仁子さんが営んでいます。渡辺氏の作品を観ることができるだけでなく、様々な人々の学びの場やつながりの場としても活躍しています。入館のご予約の際にメニューを注文すれば、応接空間「万菜」でお抹茶をいただくこともできます。そんな美の浄土を願う、渡辺俊明氏のアトリエ福島「蓮笑庵」のみどころをご紹介します。

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このまとめ記事の目次

蓮笑庵(れんしょうあん)とは?

福島県田村市芦沢の山の麓にある「蓮笑庵(れんしょうあん)」は、民画家でもあり、詩人でもあった渡辺俊明(わたなべ しゅんめい)氏が自ら設計し、暮らしていたアトリエ兼ギャラリーです。平成元年に建てられ、庭も自ら作られました。泥の中から咲く蓮の花を象徴とし、自然と人間がお互いに喜び合える美の浄土を願い「蓮笑庵」と名付けられたそうです。

「蓮笑庵」には、渡辺氏の油絵、木版画、墨彩読書画、ガラス絵、石彫り、陶石器などが多く残されています。また、渡辺俊明氏がくらしの友としていた国内外の美術工芸品も所蔵されています。現在は、妻の仁子さんが営んでいます。「蓮笑庵」の入館の際には、前日までのご予約が必要です。山の起伏の自然のままに建てられているので、訪れる際は、履きなれた靴にしたり、暖かい服装をしたり、十分に気を付けてください。

蓮笑庵の見どころ①:丁寧なくらしをしていた渡辺俊明氏とは?

渡辺俊明氏は、昭和12年(1937年)に静岡県新居町に生まれました。9歳のころから独学で絵を描き、画家になることを夢みていたそうです。その後、35歳で浜松美術祭典芸術大賞、42歳でギリシャ美術賞展 入選など様々な賞を獲得しました。また、名古屋、大阪などの国内だけでなく、パリやハワイなどの海外でも個展を開くなど、68歳まで生涯を民画家兼詩人として活躍されました。

絵画だけでなく、造園や建築デザイン、書籍の絵など多岐に渡り幅広く手掛けています。人と深く心の交流をし、何気ない日々の暮らしから絵や言葉を生み出していた方です。野の花をこよなく愛し、妻の仁子さんも花に嫉妬するほど、花と渡辺氏の関わり合いは深いものだったそうです。
この蓮笑庵で、風の音、四季の草木やとりのさえずりに耳をすませ、自然を肌で感じ、ゆったりとした時間を過ごしてみて下さい。そこから、渡辺俊明氏の丁寧な暮らしぶりも楽しめるのではないでしょうか。

蓮笑庵の見どころ②:まるで別世界

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「蓮笑庵」は、静かな山里で、四季折々の美しい自然を感じることができます。空気もキレイで美味しいです。庭や小道の隅々まで手入れが行き届いており、季節の花々が咲き、渡辺俊明氏の丁寧な暮らしぶりをしていたのがうかがえます。

また、広大な敷地には、何棟もの建物があります。茅葺のお堂「風来堂」や娘の為に建てた「絵本館」、「アトリエ 雑花工房」、お茶を楽しめる「応接空間 万菜」などがあり、あちらこちらに渡辺氏の作品が展示され、見ることができます。
窓から望む景色は、まるでタイムスリップしたかのように感じます。訪れた人々誰もが居心地の良いホッする空間になっています。四季折々の景色が楽しめて、春には新緑が秋には、紅葉を愛でることができます。冬季(12月~3月頃)は、休館されているので訪れる際は、ご注意ください。

蓮笑庵の見どころ③:学びの場、つながりの場「くらしの学校」

自然と芸術を愛する人々の憩いの場となっている「蓮笑庵」は、2011年3月11日の東日本大震災時の被災者の避難場所になっていたり、ボランティア活動の人たちの拠点、復興支援に携わっている学者などの方々の交流の場として、スペースを提供していました。社会的な役割を担っていました。ここは、福島第一原子力発電所からわずか30㎞の場所にあります。そういったことから、人々の癒しの場所として大変重要でした。

震災後は、周囲の自然豊かな環境を活かし、「蓮笑庵くらしの学校」を開講しています。先生、生徒という関係関わらず、ともに意見を交わします。四季折々の暮らしをテーマにした講座やワークショップを開いたり、復興活動について学んだり、子ども向けの体験プログラムに取り組んだりと、暮らしを通じて様々なことを学び、分かち合える場、つながりの場となっています。また、近年は古民家の再生にも力を入れています。

蓮笑庵の見どころ④:渡辺俊明氏が作った器でいただく

入館の予約時にメニューも予約すると応接空間「万菜」でお抹茶を楽しむことができます。メニューは、お抹茶セット(季節の生菓子)850円とお抹茶セット(本日の千菓子)650円の2種類から選べます。また、七草の節句会や端午の節句会など季節ごとにお食事会やイベントも開催され、県内外から多くの方々が集まります。随時募集されているので、詳しくはホームページを見てお問合せ下さい。

渡辺俊明氏が作った器に妻の仁子さんとスタッフの方々が作る愛情あふれる料理が盛られ、味わえます。自然豊かな環境の中、その日に出会えた人々との会話や交流も楽しめます。参加者の方からは、ステキなひとときが過ごせると好評です。そんなことからも何度もお食事会やイベントに参加されている方も多いそうです。

”たっぷりの器にゆったりと盛る。食卓は景色よく”と渡辺俊明氏がよく言っておられた言葉通り、彩り鮮やかな料理が器に盛られ、見た目も楽しめます。

蓮笑庵の見どころ⑤:秋に開催される「蓮笑庵展」

「蓮笑庵展」とは、平成元年から年に1回開催されている展覧会です。毎年11月の1、2、3日の3日間開催され、アトリエを主日公開しています。通常は、事前予約でしか入館することができませんが、開催期間中は、予約なしでしかも入館料も無料で気軽に入ることができます。なかなか、足を運ぶことができなかった方には、ぜひこの「蓮笑庵展」がおすすめです。

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「火のごちそう」と渡辺俊明氏が呼んでいたたき火で焼き芋をしたり、フリーマーケットを楽しんだり、紅葉を愛でたりと思い思いに過ごすことができます。工房「蓮笑庵」では、カレンダーや復刻作品を購入することができたり、アトリエ「雑花山房」では、渡辺俊明氏の手しどとを見ることができます。応接空間「万菜」でもお抹茶を頂けます。隣接する古民家でも展示があるので、ぜひ足を伸ばしてみてください。

蓮笑庵へのアクセス

美の浄土を願う、渡辺俊明氏のアトリエ福島「蓮笑庵(れんしょうあん)」の見どころをご紹介しましたが、いかがでしたか?自然豊かな環境と妻仁子さんの愛情料理や人々との交流を楽しみに一度訪れてみてはいかがでしょうか?
【住所】福島県田村市船引町芦沢字霜田61
【アクセス】磐越自動車道 船引三春ICより約15分
JR 郡山駅より磐越東線に乗車(いわき・小野新町方面)
三春駅または船引駅下車後、タクシーで約15分
【電話番号】 0247-82-2977
【開館時間】10:00~17:00※前日までに要予約
【休館日】水曜日定休・ご予約のない日曜日(その他不定休あり)
毎年12月~3月まで冬期休館
【入館料】お1人様800円
【茶坊】入館予約時にメニューを予約

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