マンチェスター・アートギャラリー(Manchester Art Gallery)は、イングランド北西部に位置する都市マンチェスター市の美術館で、中華街やピカデリーガーデンからもほど近いこともあり、年間50万人が訪れる人気のスポットです。1824年(江戸文政12年)に初めて一般公開されたマンチェスター・アートギャラリーは、19世紀初頭のヴィクトリア朝からラファエル前派などの絵画のほか、世界的にも評価の高いイギリスの歴史的な衣服や家具、モダンアートなどバラエティゆたかなコレクションが魅力です。
マンチェスター・アートギャラリー(Manchester Art Gallery)は、イングランド北西部に位置するグレーター・マンチェスターの都市マンチェスター市の美術館です。古代ローマ帝国の前哨地(マンクニウム)の砦がその起源とされるマンチェスターは、19世紀に産業革命で急成長を遂げた都市で、当時の面影を残す歴史的な街並みは世界遺産の暫定リストにもあげられています。
収蔵品が25,000点を超えるマンチェスター・アートギャラリーの展示内容は幅広く、絵画やアンティーク・インテリア、工芸品のほか、紳士服や子供服など6世紀にわたるイギリスの歴史的なファッションに焦点をあてたコスチュームギャラリー(Gallery of English Costume)も充実しています。中でも世界的に高い評価を得ているというアクセサリーのコレクションや特別展示は必見です。
既成概念を否定する「ラファエル前派」
マンチェスター・アートギャラリーは、地元出身の印象派画家ウィンフォード・デューハースト(Wynford Dewhurst)や優れた詩人でもあったダンテ・ゲィブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)の作品をはじめ、ラファエル前期の見応えあるコレクションでも有名です。ラファエル前派は、それまでイギリスのアカデミーに長いあいだ蔓延していたルネサンス期のラファエロを模範とする風潮に反発する若いアーティストたちによって起こったムーブメントです。
ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood)の発足人のひとりであるダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)は、聖書や伝説をモチーフにした作品を多く残したロンドン生まれの芸術家です。マンチェスター・アートギャラリーには、シリアに伝わる伝統的な豊饒多産の女神がモデルとなった「アスタルテ・シリアーカ(1877年)」が所蔵されています。