木製建具の高層マンション「ユニテ・ダビタシオン」がカッコいい!

ユニテ・ダビタシオン(Unité d'Habitation)は、フランス最大の港湾都市・マルセイユに所在する世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品~近代建築運動への顕著な貢献」のひとつで、1952年(昭和27年)に建設されたコンクリート製の8階建てビルディングです。建築家は近代建築の巨匠と称されるスイス出身の建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)で、現在のユニテ・ダビタシオンは、さまざまなタイプのユニットで構成された集合住宅のほか、カフェや郵便局、屋上にはプールや幼稚園などの施設も併設されています。

当サイト内のおでかけ情報に関して

情報は記事掲載時点のものです。施設によって営業時間の変更や休業などの可能性があります。おでかけの際には公式HP等で事前にご確認ください。また、当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しており、ご紹介するお出かけスポットや商品に、アフィリエイトリンクを設置している場合があります。RETRIPでは引き続き、行き先探しに役立つおでかけ情報を提供していきます。

このまとめ記事の目次

ユニテ・ダビタシオンとは

ユニテ・ダビタシオン(Unité d'Habitation)は、近代建築の巨匠と称されるスイス出身の建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)の設計による集合住宅の総称で、中でも特に有名なものは、フランス最大の港湾都市・マルセイユに所在しています。一見なんの変哲もない8階建てのコンクリート製ビルですが、ユニテ・ダビタシオンのシンボル的な物件として知られている建築物なのです。
その理由は、ヨーロッパ各地に残るユニテ・ダビタシオンのうち、マルセイユのユニテ・ダビタシオンが最初の建物であることによります。築年数を感じさせないデザインですが、このビルディングは1952年(昭和27年)に完成したもので、8階建てに337戸が入居するという当時としては大きな集合住宅です。

ル・コルビュジエの建築作品・近代建築運動への顕著な貢献

マルセイユのユニテ・ダビタシオンは、フランスを中心とする世界8か国の都市に建設されたユニテ・ダビタシオンのうち、2016年指定の世界文化遺産「ル・コルビュジエの建築作品~近代建築運動への顕著な貢献」の物件に含まれているうちの一棟で、人体の寸法やフィボナッチ数列、黄金比などから導き出された建築の基準寸法「モデュロール(Modulor)」に基づいて設計されているのが特徴です。
壁面にはモデュロールの元となった人体やフィボナッチ比率の幾何学なパターンがモチーフとして刻まれ、エジプト神殿のようにも見えますよね。内部はひとり住まいから家族4人が住める部屋まで23パターン。主にメゾネット式ユニットが組み合わされ、最大で約1,600人が生活できるように設計されているのだそうです。

現代集合住宅の原型

マルセイユのユニテ・ダビタシオンは、建築家ル・コルビュジエとその従兄弟にあたるピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret)によって、1926年(大正15年)に提唱されたマニフェスト「近代建築の五原則(新しい建築の5つの要点)」を実現した代表的な建築物でもあります。具体的には、“ピロティ”と呼ばれる高床式の1階部分や屋上庭園、連続した水平窓と自由な平面、そして自由なファサードの5要素です。
これらの要素は現在日本国内でも多く見られるマンションやアパートのような集合住宅をはじめ、郊外型の外食チェーン店や公共施設などでおなじみの建築スタイルであり、ル・コルビュジエが近代建築の発達に大きく貢献したと評価される所以なんですね。現在は郵便局や店舗も入居しているそうで、1961年(昭和36年)にはホテルも開業しています。

屋上スペースや公共施設も充実

ユニテ・ダビタシオンの屋上には、居住者用の保育園や体育館、プールなどが備えられています。3階と4階には当時のままの内装を保存している部屋もあり、受付けで署名すれば誰でも見学することもがきるようです。ちなみに日本でいう1階部分を、ヨーロッパでは0階と数えることはよく知られていますが、さらにユニテ・ダビタシオンではエレベーターが3階毎にしか停まらず、停まる階のみを階数としてカウントしています。
つまり、マルセイユでは8階建てのユニテ・ダビタシオンですが、日本式なら18階建てに相当する集合住宅というわけなんですね。住み心地としては、マンションというよりホテルのような感じでしょうか。屋上へ出るためには9階までエレベーターで一気に上がります。コンクリート打ちっぱなしの1階部分などを見る限り外観は現代的ですが、窓枠などの建具は木製のままで味わいがあります。

いかがでしたか

世界遺産にも指定されているフランス・マルセイユのユニテ・ダビタシオンをご紹介しました。同じく世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築作品の中には、日本の東京都台東区に所在する国立西洋美術館も含まれています。

基本情報

所在地:280 Boulevard Michelet, 13008 Marseille
営業時間:9:00~18:00
アクセス:Le Corbusierバス停下車すぐ

関連するまとめ記事この記事に関連する人気まとめ記事

新着のまとめ記事編集部おすすめ!新着人気まとめ記事

ライター紹介このまとめ記事を書いた人

このまとめ記事に関して報告する