古代文明の都市遺跡!「チョガ・ザンビール」イラン初の世界遺産

チョガ・ザンビール(Tchoga Zanbil)は中東イラン・イスラム共和国(Islamic Republic of Iran)にある観光名所で、紀元前16世紀から2500年ものあいだ繁栄したエラム王国の古代都市遺跡です。ペルシャ語で“大きな籠のような山”という意味をもつ3層構造の複合施設は外周およそ4キロで、中心部にはかつて高さ60メートルあったといわれるジグラート(神殿塔)を持ちます。1979年(昭和54年)にはイランで初めてユネスコの世界文化遺産にも登録されたチョガ・ザンビールをご紹介します。

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このまとめ記事の目次

チョガ・ザンビールとは

チョガ・ザンビール(Tchoga Zanbil)は、中東イラン・イスラム共和国(Islamic Republic of Iran)南西部の州フージスターンにある古代都市の複合遺跡です。1979年(昭和54年)にはイランで初めてユネスコの世界文化遺産にも指定された歴史観光スポットで、紀元前1250年頃に建設されたと考えられています。中心部にはメソポタミア地区以外では珍しいとされる巨大なジグラート(聖塔)を有します。
エラム王ウンタシュ・ナピリシャ(Untash-Napirisha)により、エラム族の宗教的中心地として設立されたチョガ・ザンビールは、1935年(昭和10年)の油田調査中に発見された遺跡で、上空から見るとふたつの同心円状の城壁によって囲まれています。その最も内側に位置するのがジグラート(Ziggurat)です。

神殿塔ジグラート

“高い所”を意味するジグラートは、紀元前3000年頃からメソポタミア地区の多くの周辺都市で建設されるようになった階段状の神殿塔です。日乾煉瓦を何層にも積み上げたピラミッドで、神々が降臨するための塔だったと考えられていますが、詳しいことは現在でも不明な点が多いようです。
エジプトのピラミッドに比べるとイマイチ馴染が薄いように思えるジグラートですが、おそらく世界でもっとも知名度が高いジグラートは旧約聖書にも記述のある「バベルの塔(tower of babel)」ではないでしょうか。バベルの塔はバビロニア帝国の古都バビロンに建設されたジグラートで、人間が神に近づこうと協力して築き上げた結果、神の逆鱗に触れて倒壊したとの伝説が残っています。

エラム王国の神々を祀る神殿

数あるジグラートの中でも特に大規模なこの遺跡は、その形状から発見者によってチョガ・ザンビールと名付けられました。ペルシア語で“巨大な籠状の山“という意味だそうです。エラム王国は、紀元前16世紀から前11世紀まで2500年にわたって繁栄した連合王国で、チョガ・ザンビールは、王国中心地だった王都スーサの南45キロの位置に「ドゥール・ウンタッシュ(ウンタッシュ王の城塞)」として建てられました。
チョガ・ザンビールの外壁はほぼ1000メートル四方で、内部には入れ子式に7つのゲートをもつ内壁がありました。中心を占めるジグラートは105メートル四方で、古代王インシュシナク(Kutik Inshushinak)の化身である牡牛が祀られていたといわれ、インシュシナク神が王都スーサの守護神だったことから、チョガ・ザンビールはスーサの守護神殿だったと考えられています。

アッシリアによる滅亡

ジグラートの外側にあるエリアには、紀元前15世紀・中エラム時代の王ナピリシャ(Untash Napirisha)をはじめ、主祀神インシュシナク以外の神々のために22の寺院が建設される予定でしたが、ナピリシャの死後建設が中断されたことから実際に完成したのは11棟のみでした。もっとも外側のエリアには地下墓所があり、火葬された王家の人々が埋葬されています。
エラム人たちは紀元前2000年頃から文字を使って記録を残したといわれ、チョガ・ザンビールの4つの角は正確に東西南北の方位を示していました。しかし紀元前640年頃になるとエラム王国はアッシリアによって滅ぼされ、未完のチョガ・ザンビールは破壊されました。かつてバビロニアを滅ぼし、イスラエルの民に神殿の再建を許したエラム族でしたが、古代オリエント・アケメネス朝の支配下に置かれたエラムが国家を再建することはありませんでした。

いかがでしたか

ユネスコの世界文化遺産チョガ・ザンビールをご紹介しました。優れた文明を持ち、2500年にわたって繁栄した国家も、やがて滅びるときが来るんですね。イランという国は日本人がイメージするよりはるかに安全で親日的だといわれます。古代文明をたずねていつか訪れてみたいですね。

基本情報

所在地:Khuzestan, Iran
アクセス:Dezful Airportより車で90分

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