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聖メアリー教会とは
鋭い尖塔と大きなアーチ窓が特徴の聖メアリー教会（University Church of St Mary the Virgin）は、イギリス・イングランド東部の大学都市オックスフォードがかつて城塞都市だったアングロサクソン時代に旧市街の中心部に建てられました。古い記録では1086年のものが残っているという歴史の長い教会です。
英語圏において最も古い大学として有名なオックスフォード大学の創建当初には、聖メアリー教会が最初の建築物として採択され、会合などが開かれています。ちなみに、イギリスの伝統的なカレッジ制度を採用しているオックスフォード大学は、日本のような一般的な大学とは違い多くの学科とカレッジからなるため、オックスフォード大学という名前の学校は存在しないのだそうです。
イングランド独自のゴシック様式
13世紀当初のまま残る聖メアリー教会の尖塔は高さ62メートル。127段の階段を登れば、オックスフォードの町を一望する最高の景色が堪能できます。階段の数はそれほど多くはありませんが、古い塔にありがちな急こう配でたいへん狭く、人とすれ違うのも難しいほどです。アスレチック的要素が強い展望台です。
イングランドでは14世紀頃から「垂直様式（prependicular gothic）」と呼ばれる独自のゴシック建築が発展したことから、聖メアリー教会も16世紀に建てかえられました。グロテスク様式と呼ばれる妖怪のモチーフも特徴的です。ハイストリートに面した南側ファサードは、17世紀の建築家ニコラス・ストーン（Nicholas Stone）が手がけたもので、ゴージャスなバロック様式の装飾は見応えがあります。
ブラッディ・メアリーと3人の殉教者
オックスフォードの聖メアリー教会といえば、女性や子供を含むプロテスタント信者300人を次々に処刑し、“ブラッディ・メアリー（血まみれメアリー）”の異名で恐れられたイングランド女王・メアリー1世の異端裁判が開かれた場所として有名です。1555年に起きたこの裁判は、有名なマザーグース「Three blind Mice（3匹の盲目ネズミ）」のモチーフになっているともいわれます。
宗教改革に乗じて中の悪かったローマ教皇から分裂し、自らイギリス国教会の首長となったイングランド王ヘンリー8世は、当時800あったといわれるカトリック修道院を解散しましたが、ヘンリー8世亡きあと即位したメアリー1世はカトリック復活を図ってプロテスタントを迫害しました。最後まで改宗を拒んだラティマー 卿、リドリー司教、クランマー大司教の3名が異端とみなされ、火刑に処されました。
英国に2台しかないパイプオルガン
尖塔アーチが並ぶゴシック様式の身廊は、それほど目立った装飾は見られませんが広々としています。美しいステンドグラスの一部は15世紀に作られたものです。そして中央に鎮座するパイプオルガンは、1987年に設置された3代目。イギリスに2台しかないというスイス・メッツラー オルゲルバウ社製のうちのひとつで、祭壇のある内陣側と信者用の席が並ぶ身廊側の両方に音が響くような配置になっています。
ステンドグラスは、もともと文字が読めなかった庶民にも聖書の内容が理解できるという役割があったようで、主に聖書の重要な場面や有名なエピソードが題材になっています。中世のロマネスク様式では分厚い壁で屋根を支えていましたが、ゴシック建築では尖塔アーチや身廊天井などで屋根の重さを分散することが可能になり、壁が薄くなったため大きな窓を設けてステンドグラスをはめ込むことができるようになりました。
いかがでしたか
聖メアリー教会をご紹介しました。ここから徒歩数分のセントメリーマグダレン教会（St. Mary Magdalen）にはビクトリア朝ゴシック様式のオックスフォード殉教者記念碑（Martyrs' Memorial）も残っています。併せて訪れてみてはいかがでしょうか。
基本情報
所在地：High St, Oxford OX1 4BJ
TEL：+44 1865 279111
営業時間：9:30～17:00（日曜日 11:30～17:00）
定休日：12/25、26
アクセス：Carfax (Stop I1)バス停下車
TEL：+44 1865 279111
営業時間：9:30～17:00（日曜日 11:30～17:00）
定休日：12/25、26
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