放蕩王のエキセントリック・リゾート!「ロイヤル パビリオン」の見どころ

イングランドの南東部にある英国最古のリゾート地・ブライトンの観光名所「ロイヤル パビリオン(Royal Pavilion)」は、放蕩王といわれたイギリス・ハノーヴァー朝の国王ジョージ4世が摂政王太子(プリンス・リージェント)だった時代に、贅沢な暮らしぶりが災いして21歳で病気に悩まされるようになったことから、当時人気を博していた海水健康法を実践するために建てた海辺の別荘です。ヴィクトリア調ゴシック様式ベースのインド風というエキゾチックな外観や中国趣味の内装など、見どころ一杯のロイヤル パビリオンをご紹介します。

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このまとめ記事の目次

ロイヤル パビリオンとは

イギリス・イングランドの南東部に位置する観光都市ブライトンの「ロイヤル パビリオン(Royal Pavilion)」は、ブライトンを訪れる観光客が必ず足を運ぶという定番スポットで、のちにイギリス・ハノーヴァー朝の国王ジョージ4世となる摂政王太子プリンス・リージェントが海辺の別荘として建設したものです。
イギリス最古のリゾート地として人気のブライトンは、もともと小さな漁村でした。1750年に初めて“海水療法”を提唱して有名になったイギリス人の医師リチャード・ラッセルが1754年に療養所を構えたことから人気となり、上流階級や産業革命で富を得た中流階級の別荘が建つようになりました。1783年にこの地を訪れたプリンス・リージェントがロイヤル パビリオンを建てると、ブライトンは高級リゾート地として知られるようになりました。

エキセントリックな外観

ロシアのクレムリン宮殿にも似たロイヤル パビリオンは、エキゾチックなデザインのドーム屋根と列柱をつなぐ細密な彫刻が印象的な建物です。ヴィクトリア調ゴシック様式をベースに、インド・ムガル帝国に起源を発する建築様式を取り入れた“インド・サラセン様式”と呼ばれるデザインで、19世紀から20世紀初頭に発達しました。それまでヨーロッパで“サラセン”と呼ばれていたイスラム建築とは区別されています。
インド・サラセン様式は、当時イギリスの植民地だったインドのナショナリズムを意識したもので、1858年に起こったインド大反乱(Indian Rebellion)の教訓から生まれました。同じインドの伝統様式であるヒンドゥー建築と比べ、当時のイギリスで主流だったゴシック建築と相性の良いムガル様式が採用されたようです。

建築家ジョン・ナッシュによる設計

1787年に完成した初期ロイヤル パビリオンは、イングランドの建築家ヘンリー・ホーランドによって設計された古典主義建築で、バロック様式の豪華な内装をもつ建物でしたが、1815年から当時流行だった中国趣味の美術様式“シノワズリ(chinoiserie)”を内装に取り入れるなど、莫大な経費を費やして大掛かりな改修工事が開始されました。現在のロイヤル パビリオンは1823年に完成したものです。
中国風の内装をもつインド風ゴシックという独特の建物をデザインした建築家ジョン・ナッシュは王子さまのお気に入りで、のちにロンドン北部の王立公園リージェンツ・パーク(Regent's Park)も手掛けています。巨額の借金を作って父王を悩ませたといわれるリージェント王子はたいへんな浪費で、ダービーの八百長事件に関与するなど素行の悪さでも知られていました。庶民からはあまり尊敬されていなかったので、ロイヤル パビリオンの改修も随分ひんしゅくを買ったようです。

王子の放蕩っぷりは、オーディオガイドでも!

ロイヤル パビリオンの内部では、インド風の外観よりさらに大胆な世界観が展開します。一歩間違えば悪趣味の極みともなりかねない意匠ですが、そこは潤沢な資金が投入されているだけあって観光客の目を飽きさせることがありません。ピンクの壁紙いっぱいに描かれた中国服の人物画や蓮花をモチーフにしたゴージャスなシャンデリア、ドラゴンや竹といったアジアンなデザインが随所に散りばめられた館内は見応えたっぷりです。
放蕩王、ゴシップの源泉と呼ばれたジョージ4世の人生については、ロイヤル パビリオンのオーディオツアーで赤裸々に語られています。所要時間45分から60分で、英語、簡単な英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語などに対応しており、手話(英語)ツアーも利用可能です。ガイドブックはオンラインでも購入することができます。

いかがでしたか

イギリス最古のリゾート地・ブライトンを訪れたら絶対はずせない人気スポット「ロイヤル パビリオン」をご紹介しました。残念ながら館内の撮影は禁止ですが、イギリス風アジアン・テイストの調度品は見応えたっぷりです。

基本情報

所在地:4/5 Pavilion Buildings, Brighton BN1 1EE
TEL:+44 300 029 0900
営業時間:10:00~17:15
料金:大人£13.00 子供(5-15)£7.50
定休日:アクセス:

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