インド北西部の都市ジャイプール郊外にある観光スポット「ジャイガール要塞(Jaigarh Fort)」は、11世紀から18世紀のジャイプール遷都までマハラジャの宮殿として利用されていた城塞です。サワーイー・ジャイ・シング2世により、第3の要塞アンベール城と宮殿を守る目的で、アラバリの丘の最高峰「イーグルの丘(Cheel ka Teela)」の上にあった古い要塞が再構築されました。世界最大の車輪付き大砲「キャノン・ジャンバイン(JAIVANA」など、見どころ豊富なジャイガール要塞をご紹介します。
ジャイガール要塞の周辺はアラバリの丘(Aravalli)と呼ばれる丘陵地帯で、そのうちもっとも高い「イーグルの丘(Cheel ka Teela)」の上に築かれたのがジャイガール要塞です。アンベール王国は広い土地を求めて低地へと領域を広げ、1726年には初代と2代目の要塞をより強固に改修して現在のジャイガール要塞を築きました。当時活躍したVidhyadharという建築家の名前も残されています。
ジャイガール要塞の見どころのひとつは、巨大大砲「キャノン・ジャンバイン(JAIVANA」)です。砲身8メートル、主さ50トン、射程距離は35キロという世界最大の車輪付き大砲で、一度の発射に100キロの火薬が必要でした。サワーイー・ジャイ・シング2世(Sawai Jai SinghⅡ)治政の1720年代に鋳造されましたが、ジャイガール要塞とアンベール城は、過去一度も外敵から攻められたことがなかったため、大砲が実戦で使用されることはありませんでした。